高齢者の費用を負担する国の施策

高齢化社会と言われている日本。介護を必要としている高齢者の増加、高齢者の介護期間の長期化が顕著になっていることから、介護サービスの必要性がさらに高まってきている。

日本は高齢化社会だけでなく、核家族化構成による進行、介護を行う家族の高齢化も原因となり、介護しなければならない家族側が困難な状態に立たされるケースは少なくない。そこで、国が打ち出したのが高齢者への介護サービス費用を支援する介護保険法だ。

介護保険の財源は、税金が50%と介護保険料が50%。税金は市区町村および都道府県がそれぞれ12.5%、国が25%の割合で賄われており、介護保険料は40歳以上の人々から徴収が行われている。要介護保険利用者が1割~3割負担で介護サービスを使えるというのが、介護保険法のメリットである。

介護保険法は施行されてからそのまま継続されているものではなく、定期的に見直しが行われ、その都度改正されている。2005年には明るく活力ある超高齢社会の構築・制度の継続可能性・社会保障の総合点を視点とした改正が行われている。

2012年の改正では高齢者が住み慣れた場所で自立した生活を送ることができるよう、地域包括ケアシステムの構築に向けた改正が行われており、2018年度は年金・医療・介護、社会保障給付費用が増大する中で制度創設や仕組みの見直しが図られた。その中で、自己負担限度額の増加が図られており、2割負担利用者の中でも所得の高い層は3割負担になる、といった改正内容が盛り込まれている。